P.S.F. Records Modern Music 研究室

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不失者 / 不失者 I Fushitsusha [PSF-3/4,PSFD-3/4]〈P.S.F. Records〉

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不失者 / 不失者 1st

P.S.F. Records - PSF-3/4,PSFD-3/4

1989(LP),1997(CD)
-Genre/Style-
Experimental, Psychedelic Rock

-track list-
A1 あっち  12:32
A2 暗号   10:21
B1 すきにやればいい   11:38
B2 とどかない   10:27
C ここ   26:06
D1 ふわ ふわ 8:04
D2 なったんじゃない 7:46
D3 迷子 10:03
-Credit-
Bass [Uncredited] – Yasushi Ozawa
Drums [Uncredited] – Akui*, Seijiro Murayama
Guitar [Uncredited] – Maki Miura
Guitar [Uncredited], Vocals [Uncredited] – Keiji Haino
 

10点 (不失者で1,2を争う聴きやすさです。宮岡)

 

 

灰野敬二氏率いる不失者のデビューアルバムにしてPSFで最も売れたという代物。(総販売枚数3000枚:生悦住さん談。)僕が16歳の時地元のブックオフで見つけて、PSFや灰野敬二のコレクションを集めるきっかけになった1枚です。綿密に作り込まれたこのアンサンブルは、ノイズとも、通常のロックとも異なる、風変わりで極端に神秘的なサイケデリック・アヴァン・ブルース。この作品が他の不失者の作品と大きく異なるのは、なんといってもその楽曲の馴染み易さであろう。当時灰野敬二をファズと轟音の人と思っていただけに、オーソドックスなギタープレイに、時にハーモニカを携え、悍しく、時に朗々と、切々と歌い上げる様には驚いた。全曲素晴らしいが、個人的に"あっち"のギターソロは何度聴いたか分からない。メンバーはこのアルバムのみ4人体制でベースは不失者の核メンバーと云える故・小沢靖さん。生悦住さんにお会いした際に(2013年)、「不失者はもう無い、不失者は小沢君のバンドだった。小沢君のベースと(灰野さんの)ギターが自由に弾きまくってるのが凄かった」と仰っていたのが印象的だった。(当時の演奏を体験することはもう叶わないが、後に紹介する不失者のDVD(PSFV-1)でその凄さを垣間見れる。)

サイドギタリストは後に静香のギタリストとして活躍される三浦真樹氏。ドラマーは阿久井喜一郎氏と村山政二朗氏。阿久井氏は2019年に不失者で再びプレイしている。

(文責:宮岡永樹)

 

日本で初めてサイケデリックの本質を真の意味で表すことができたロックバンドがこの「不失者」だが、このCDを聴くよりまずライブを体験することをおすすめる。若い人達には申し訳無いが、あなたたちが聴いてきた日本のロックと言われている大手レコード会社からリリースされている音楽群は、不失者のライブを見た後ではすべて…。

(生悦住英夫氏・STUDIO VOICE(スタジオボイス)2000.⑦月号VOL.295より引用)